薄毛治療の気になる疑問!生え際(M字・A字(U字))は本当に治療できるのか?


頭頂部の薄毛や前頭部の薄毛など、薄毛の症状は人によって異なります。
中でも生え際は薄くなると目立ちやすいため、人の視線が気になってしまうこともあるでしょう。

生え際の薄毛というと、徐々に後退していき最終的には後頭部の髪まで抜けてしまうというイメージがありますよね。
また、治療が難しいと思われがちですが、正しい治療をおこなえば進行を食い止めることは可能です。

では、生え際に適した治療法にはどのようなものか、みていきましょう。

薄毛にはいろんなタイプがある

ひと口に薄毛といっても、その症状はさまざまです。
成人男性に起こる薄毛は男性型脱毛症やAGAと呼ばれ、成人男性のおよそ3人に1人が男性型脱毛症だといわれています。
薄毛の原因は主に遺伝やストレス、食生活や男性ホルモンが関係しているといわれていますが、具体的なことはまだわかっていません。

男性型脱毛症が起こるメカニズムは次の通りです。

まず男性ホルモンの一つであるテストステロンが5αリダクターゼという酵素と結合し、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる強力な男性ホルモンへと変化します。
DHTには脱毛因子を増やす働きがあり、この脱毛因子が脱毛を促す指令を出すことでヘアサイクルが乱れ、抜け毛や薄毛が進行していくのです。

薄毛のタイプは主にO字、M字、A字(U字)の3つに分けられます。このうち生え際が薄くなっていくのがM字とA字の二つです。
M字は文字通り生え際がM字状に後退していく薄毛で、西欧人に多いと言われていますが日本人に起きることも珍しくありません。

A字の薄毛は中央部が残るM字とは異なり、生え際が全体的に後退してしまいます。
頭頂部の薄毛を併発することも多いため、より注意が必要なタイプの薄毛といえるでしょう。

「生え際の薄毛は治療できない」は嘘!

一般的に、生え際の薄毛は頭頂部の薄毛より治療が難しいといわれています。

男性型脱毛症の原因物質であるDHTを作り出す5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型の二つがあり、このうちヘアサイクルに影響を及ぼすのがⅡ型5αリダクターゼです。
Ⅱ型5αリダクターゼは生え際から後頭部にかけて存在し、とくに生え際は濃度の高いといわれています。
そのため生え際はヘアサイクルが乱れやすく、後頭部に比べ薄毛が進行しやすいのです。

また、生え際は血管が少ないため栄養不足に陥りやすく、頭皮が固くなりがちで血行が悪化しやすいことも発毛を難しくさせる原因といえるでしょう。

しかし、だからといって後退した生え際が元に戻らないわけではありません。産毛が残っている状態であれば、治療次第で再び発毛させることが可能です。

生え際に適した治療法

生え際の基本的な治療としては、フィナステリドという成分が含まれた内服薬を使用する方法と、ミノキシジル含有の外用薬を使用する方法があります。

AGAに有効なフィナステリドには5αリダクターゼの働きを抑える作用があり、薄毛の原因物質が生成されなくなるため生え際の薄毛にも効果的です。
また、ミノキシジル外用薬には血管拡張作用があり、血行を良くすることで栄養を行き渡らせ、発毛を促す効果が期待できます。

しかし、投薬治療は長い時間がかかりますし、薬物特有の副作用が起こるリスクも少なくありません。
そのため、投薬以外の治療法として近年注目され始めているのが「HARG療法」です。
150種類以上の成長因子を含んだHARGカクテルを直接頭皮に注入し、髪の成長を促すことで薄毛を改善していきます。
HARGカクテルにはアレルギー起因物質が含まれないため、投薬治療のような副作用は起こりません。さらに、O字・M字・A字すべてのタイプの治療に適しています。

そのほか、体の内側から発毛を促進することも忘れてはいけません。
睡眠や食事、運動やストレス発散など、体の健康を気づかった生活を送ることが大切です。
発毛に欠かせないタンパク質やミネラル、ビタミンをしっかりと摂り、健康な髪を育てるための土壌作りをおこないましょう。

おわりに

生え際の薄毛は進行しやすいため、治療には長い時間がかかるかもしれません。
しかし、今回紹介した治療をおこなえば、薄毛になる前の状態に戻すことも不可能ではないのです。

生え際の後退が気になり始めたら、まずはクリニックヘ足を運び医師による診察を受けましょう。
治療を継続することで、髪と自信の両方を取り戻すことができるかもしれませんよ。

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