AGAについて患者様からのご質問
公開日:
みなさんこんにちは。
さて、今回は患者様から頂いたご質問をご紹介します。
「プロペシアではなぜ発毛しないのですか?」
AGAのカウンセリングを行うと、高確率で訊かれるフレーズです。
私が発毛は難しいと思いますとお話しする時に根拠にしている事が3つあります。
1つ目は、「製薬会社が発毛を謳っていない事」
2つ目は、「プロペシアの薬理作用を考えると発毛にはどう考えても繋がらない事」
3つ目は、「長年プロペシアを使い続けている患者様のほとんどが発毛を実感していない事」
この3つが根拠になっています。
その中でも2つ目「薬理を考えると発毛には繋がらない事」についてお話しします。
まず、発毛するという事はどういうことか?
シンプルにお話しすれば「毛母細胞が分裂するからそれが毛となり生えてくる」これに尽きます。
要は毛母細胞が分裂しなければ毛は生えるどころか作られる事もありません。
逆に言えば毛が生えなくなっている部分は、毛母細胞が分裂していない場所だと言えます。
よって、生やす為には毛乳頭に成長促進因子を出させ、新たに毛母細胞を準備させた後、継続的に毛母細胞を分裂させる必要があります。
生えなくなった部分に対して、これを可能にするのが細胞レベルでアプローチするHARG療法なのですが、プロペシアはどうでしょうか。
フィナステリドの薬理作用は、毛乳頭に働きかけ成長阻害因子(毛母細胞を萎縮させる)を出させるDHT(ジヒドロテストステロン)を抑制するというものです。
この部分をもう少し分解すれば、DHTは「リダクターゼ(5α還元酵素2型)」と「テストステロン(男性ホルモン)」の結合によって生産されます。
プロペシアは、リダクターゼ(5α還元酵素2型)を抑制する薬なので、結果的にDHTの生産が減少します。
これにより毛乳頭へのDHTの結合が緩くなると同時に毛母細胞の萎縮も緩やかになる為、加速度的に進行する抜毛の速度が緩やかになるのです。
これがもしフィナステリド自体が毛乳頭に直接アプローチができ、失った毛母細胞をもう一度作らせる様な作用があれば疑いようのない毛生え薬なのですが。。。
これが発毛に繋がらないという理由です。
とは言え、プロペシアやザガーロは、AGAの進行を遅らせる非常に大切なお薬であり、きちんとした医学的根拠のあるお薬である事は間違いありません。
カウンセリングでは過小でも過大でもなく、その薬や施術そのものが持つ期待できる範囲というものを正確にお伝えするように
心がけております。
興味のある方は是非カウンセリングにお越し下さい。
AGAについて余すことなくお話し致します。
その上最適・最善の治療を共に考えて行きましょう。
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