ヘアサイクルを戻す為の総合治療 ~脱毛抑止治療~
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ブログをご覧の皆様こんにちは。
前回はAGAの根本的な原因であるヘアサイクルの乱れについて書きました。
今回からはその乱れたヘアサイクルを総合治療により、いかに元に戻していくのか書いていきたいと思います。
まずは総合治療を構成する第一の矢「脱毛抑止治療」です。
ヘアサイクルの観点(詳しくは前回ブログをご覧ください)から言えば、毛髪が4~5年という成長期を全うできなくなるが故にAGAが加速度
的に進行していきます。言い換えれば、大人の毛髪が少なくなり子供の毛髪ばかりになってしまい、細く背の低い毛髪だらけになります。
また、健常な長い成長期であっても、異常な短い成長期であっても、成長期が終了すれば次は「休止期」が必ずやってきます。
健常な「休止期」は次の成長期の準備期間ですが、異常な休止期は成長期への準備がされず「停滞期」に入ります。
「異常に短い成長期」「異常に長い休止期」、まずはこの状態を改善しなければなりません。
そこで行うのが「脱毛抑止治療」です。上記の異常な状態を引き起こしているのが「DHT(ジヒドロテストステロン)」と呼ばれる
男性ホルモンです。AGAが男性型脱毛症と呼ばれる所以です。
通常のテストステロンと毛乳頭に存在する還元酵素Ⅱ型が結合しDHTへとテストステロンが還元されると、毛乳頭のDHT受容体に結合し
毛乳頭に「成長抑制因子」というシグナルを出させてしまいます。
これにより毛母細胞は細胞分裂をやめていきます。毛母細胞は毛髪生産工場の生産ラインですから、これが萎縮していくと製品の毛髪が
作られなくなっていきます。
これが、まだまだ未来のある毛髪の健常な成長期を一刀両断し、突如休止期に導く原因です。
想像してみて下さい。数百 数千という毛根でこれが起こるとどうなるか。
さて、DHTの影響で成長期が短縮するのであれば一体どうすれば健常な状態に近づける事ができるのか?
考え方はシンプルです。「DHT」を生産させなければいいという事になります。
デュタステリドなどを服用する事により、DHTの生産を抑える(100%は無理ですが)事ができます。
毛乳頭に結合するDHTが少なくなれば、成長抑制因子シグナルが出にくくなります。
毛母細胞の分裂を出来る限り健常な期間分裂させる事が=脱毛抑止治療です。
しかし、残念ながら「休止期」や「停滞期」に陥ってしまった毛根にはアプローチができません。
言い換えれば、今生えている毛髪の寿命を延ばす事は可能だが、生えなくなった所から毛髪を生やす力は無いという事です。
服薬が現状維持治療で、あくまでAGAの進行を緩やかにするものであると言われている理由です。
休止期や停滞期からもう一度発毛させる為には、毛乳頭に「成長促進因子」を出させ、もう一度毛母細胞を造る事が必要ですが、
それには細胞レベルでのアプローチが必要であり、総合治療三本目の矢であり再生医療の分野である「発毛治療」が必要になりますが
それは最後にお話しします。
まずは、現状を維持するにしても育毛や発毛をするにしても、抜けない様にするというのは全ての治療のベースとして非常に重要だと
言う事をご理解頂ければと思います。
次回は「育毛治療」について書きます。
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